当時の小林社長、鈴木専務、上原さんの3名で
スズコウハウスを創業。
某会社のビルに間借りし、麻雀部屋の1室からスタート。

当時老舗の住宅設備の会社に務めていたが、転職を決意。
会社を選ぶ際に重視したのは「できるだけ立地が悪く、歴史がないこと」。敢えてそんな不思議な条件をつけたのも、自分の力だけで勝負してみたかったからだと新川氏。
スズコウハウスはビルの3階に入っており、見上げると、空気がよどみ、危険な感じ。
その〝怪しい会社〟の条件に合致したのが、当時某社の持ちビル3階で元マージャン室兼倉庫を借りてスタートしたばかりの不動産投資会社・スズコウハウス（現株式会社クリスティ）だった。

ダイシンビルからあらいビルへ引っ越す。
これを機に社名も「スズコウハウス」から「クリスティ」に変更する。

社員がかなり増えてきたので、倉持興行ビルへ移転。
そこから更に大きくしていった。
気づけば40名程の社員数へ。
営業部は倉持工業ビルへ移動となる。

「10年過ぎた時にいろいろあって、社長と話して辞めさせてもらうことにしたんです。3年かけて代わりになる人材を育て、2012年に退職して自分の会社を立ち上げたんですが、その時にその当時の仲間2人とお客さんも一緒に付いて来てくれました。それは小林社長にずっと言われてきた〝お客さんがちゃんと儲からないと、自分たちだけが儲かっても意味がない〟を実践し、次の不動産が買えるちゃんとした物件を紹介し続けてきたからだと思うんですね。仕事のノウハウはもちろん、生き方についても多くを学ばせてもらいました」

現在のクリスティの入っている、第8横溝ビルに移転しました。
管理部は別の場所へ移動。

オフィスは南国リゾートカフェ風で顧客が喫茶店のように立ち寄ることは日常茶飯事。毎月書初め大会や握力No.1決定戦などユニークなイベントが開かれ、たとえ名刺交換をしても電話営業は行わないなど、従来の〝会社〟〝不動産屋〟からは非常識と見られることばかりだが、それらはすべて顧客との良い関係作りを第一とする姿勢を実践するもの。
すべてクリスティ時代の経験を活かして生まれたものだ。

小林前社長と新川氏は独立後も一緒に酒を飲む仲だったが、残念ながらしばらくしてそれは終わりを告げることになる。
元部下を巡るトラブルで両者が一時疎遠になっている間に、55歳の若さで小林氏が急逝してしまったからだ。
葬儀の際に新川氏に再会した前小林社長夫人は、これまでの経験、実績などを踏まえたうえで、彼に会社を任せることを決断。

社長就任は2016年7月3日。新川氏の趣味であるサーフィンに掛けて、荒波を乗り越えて成長していくという願いを込めて73（なみ）の日が選ばれた。

現在、富士企画は社員10名、クリスティは約40名。
業種はどちらも同じ投資不動産業で、新川氏の指揮の下、
協働で顧客とのよい関係作りを第一にしたビジネスを展開中です。　
「不動産はどこからでも買えるからこそ、勝負所は人間としての魅力。
ほかから紹介された物件を〝こっちでできない？〟と言われるぐらい　
になろう、というところを目指しています」という新川氏のモットーは
「仕事も遊びも一生懸命」だという。
「会社を楽しいと思わない人は多いし、朝行って働いて時間が来たら帰るというのが普通の働き方かもしれない。けれど、それじゃつまらないでしょう？厳しいことは言うけれど、誰一人としてクビにはしないから付いて来てもらいたい。そして楽しんでほしいんです」。　
顧客に選ばれる会社は、従業員にとって働きやすい会社でもある。
その事実を、改めて確かめさせてもらった。